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日中共同建設桜友誼林保存協会訪中団の顧問として訪中

2025/03/28

第38次日中共同建設桜友誼林保存協会訪中団の顧問として参加

川村範行・名古屋外国語大学名誉教授、東海日中関係学会会長

 
第 38 次日中共同建設桜友誼林保存協会訪中団(新發田豊団長、12 名)の顧問として 3 月 24 日から 28 日まで、江蘇省無錫市はじめ省都南京市、及び上海市を訪問した。
無錫市では、太湖近くで無錫国際桜週間開幕式に参列し、記念植樹を行った。北京から 金杉憲治大使が初参加、開幕式で来賓トップで挨拶し、桜友誼林の提唱者で初代保存協会 長の長谷川清巳さんの名前を挙げて、桜による日中交流の実績を評価した。桜友誼林は約 40 年で 3 万本が育ち、中国有数の桜名所に発展した。無錫滞在中、訪中団は市人民政府や 市対外友好協会はじめ、桜友誼林活動を通じて絆を結んだ中国人の方々との友誼を深めた。
南京では江蘇省対外友好協会の柏蘇寧前会長と会見、私は新發田会長の代理として挨拶をした。柏前会長は長年の桜友誼林活動をはじめ、江蘇省と友好関係の愛知県などとの日中民間交流を挙げて、民間交流の功績を称えた。
上海では在上海日本総領事館を訪問し、岡田総領事と会見。新發田会長に続いて私が日中共同による桜友誼林活動の意義を指摘した。岡田総領事からは民間交流の実績を高く評価するとの熱い言葉を受けた。上海在住で日中未来創想会上海支部の倉岡駿さん夫妻も参加し、若者の立場から桜友誼林活動に貢献したいとの決意を述べた。
(2025 年 7 月 19 日、倉岡さんを中心に、東京・池袋で「中国無錫桜祭り交流会」を開 催、桜友誼林を紹介するとともに、創想会有志たちが今後の取り組みを話し合った。私も 名古屋~オンラインで参加し、桜友誼林活動の意義などを訴え、次世代に期待を託した。)
 

第 38 次日中共同建設桜友誼林保存協会訪中団(揃いの法被姿、前列中央が新發田豊会長、右端が新發田喜代子会長夫人、新發田会長の後ろ二列目中央が筆者)=中国江蘇省無錫で、2025 年 3 月 26 日
 

記念植樹をする第 38 次日中共同建設桜友誼林保存協会訪中団、手前が筆者
 

国際桜ウイーク開幕式で挨拶をする新發田・日中共同建設桜友誼林保存協会会長
 
江蘇省対外友好協会と会見時の挨拶文(3 月 27 日)
 
尊敬する柏蘇寧前会長、ご在籍の皆様、こんにちわ。
本日は六朝の都・南京を訪問し、江蘇省対外友好協会を表敬訪問する機会を得て、大変光
栄に存じます。慎んで、日中共同建設桜友誼林保存協会の新發田豊会長に成り代わり、本
保存協会顧問として江蘇省対外友好協会の皆様に衷心より感謝申し上げます。
私ども第 38 次日中共同建設桜友誼林訪中団は昨日、無錫の太湖畔にて 2025 年無錫国際 桜祭りにゲスト参加すると共に、38 年目の記念植樹を無事に執り行うことが出来ました。
保存協会は、「日中両国が戦争を二度としない、世界平和を築いていく」という、保存協 会初代会長の長谷川清巳さんの尊い遺志を受け継いできました。
私個人としても、1990 年に名古屋の中日新聞本社を訪問された長谷川清巳さんのお考え に共鳴し、1990 年代後半に中日新聞・東京新聞上海支局長として、無錫で長谷川さんを団 長とする訪中団の記念植樹や日中交流を取材し、日本の新聞で報道しました。今日に至る まで保存協会の活動と関わり、顧問を仰せつかっています。
今回の訪中団に同行し、大湖畔に咲き誇る 3 万本もの桜友誼林を見て、改めて深く感動 しました。無錫の桜友誼林は日中両国人民の協力の証です。桜友誼林共同建設を通じて日 中両国民が親しく交流し、相互理解を育み、この 38 年間に日中交流の貴重な成果を挙げま した。
第二次世界大戦終了から 80 年の今年、世界は複雑な局面に直面し、東アジアに於いて「不 戦と平和」はますます重要性を増しています。貴国の歴史を振り返れば、約 2500 年前の春 秋戦国時代の思想家、墨子は互いに慈しみ、侵略をしないという「兼愛非攻」を提唱しま した。無錫の日中共同建設桜友誼林の精神は、時空を超えて墨子の思想とも共通の繋がり を持ちます。21 世紀の今日に於いて、無錫の桜友誼林は日中両国のみならず、東アジア、 そして世界に「不戦・平和」を呼び掛けるシンボルに成り得ます。
最後に、日中共同建設桜友誼林の活動を長く支援してくださった江蘇省対外友好協会並
びに関係各位に改めて深く感謝の意を表明いたします。

2025 年 3 月 27 日
日中共同建設桜友誼林保存協会顧問
名古屋外国語大学名誉教授、東海日中関係学会会長
川村範行

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