「欧州・アジアの結節点」新疆ウイグル自治区ウルムチ・カシュガルを視察
川村範行・名古屋外国語大学名誉教授
2025年7月27日~8月1日、中部地区メディア・学術訪中団の団長として新疆ウイグル自治区ウルムチ、カシュガルを視察した。
東海日中関係学会の逵志保理事(静岡県立農業環境専門職大学教授)、曽根英秋理事(愛知大学国際問題研究所客員研究員)、元学会員の砂山幸雄・愛知大学元副学長ほか、中日新聞、岐阜新聞、聖教新聞の各記者も含めて8名のメンバー。
中国駐名古屋総領事館の支援、新疆ウイグル自治区外事弁公室の受け入れに依る。
自治区外事弁公室トップの党書記の会見ほか、中国の21世紀シルクロード構想「一帯一路」の国際物流拠点に位置づけられる自由貿易区や国際陸港区などの視察から、新疆ウイグル自治区成立70周年の状況を知ることが出来た。
古来シルクロードの要衝である“西域”新疆が、21世紀の今日「欧州・アジアの新たな結節点」へと発展する可能性を認識した。
新疆テレビ、新疆日報が訪中団の全行程を同行取材し、特集ニュース番組、特集記事を報道した。私もテレビのインタビューに対し中国語でウルムチの感想を述べた。
以下は8月2日付け新疆日報記事。
https://www.ts.cn/xwzx/shxw/202508/t20250802_29913458.shtml
【新疆ウイグル自治区の概要】
中国の西北に位置し、面積166万平方㌔、中国陸地全体の6分の1を占め、中国の省・自治区の中で最大面積で、接する国は最も多く、陸地国境は最も長い。
陸地国境線5700㌔で、中国陸地国境線の約4分の1を占める。
8カ国と国境を接する。モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド。
人口約2600万人、多民族文化、1千万人が漢族、1千万人強が他民族。
宗教はイスラム教、仏教、道教、キリスト教など共存。
【新疆ウイグル自治区の歴史】
古来“西域”と呼ばれ、中国西部の辺境。紀元前60年の前漢時代に「西域都護府」が設立され、正式に中国の版図に入った。その後、中国王朝の興亡に伴い、漢族と複数の他民族がこの地域を巡って支配権を争った。1884年に清王朝が「新疆省」を設立し、西域を“新疆”と名付けた。1955年に新疆ウイグル自治区が成立し、2025年に70周年を迎えた。
*西側メディアによるウイグル族弾圧批判に対して、自治区外事弁公室トップの徐貴相・党書記は会見で「真っ赤な嘘だ」と全面否定。1990年代から2000年代にかけてテロや分裂主義、宗教過激派による事件が頻発したが、2017年以降、起きていない、と強調。テロ事件は特に南新疆で多発し、南新疆は文化水準や法律意識が低い事が原因と指摘。治安対策として①凶悪犯には厳罰を②2007年から2019年までカシュガルの“教育施設”で中国語と法知識、職業訓練の教育をしたと説明。教育施設は2019年で全員が卒業したため閉校し、現在は中学校になっているという。今回の訪中では真偽のほどを解明する手立てはなかったが、ウルムチ、カシュガルともテロ対策での厳重警備や規制などはなく、収まっているとの印象を受けた。街角では「中華民族共同体」「民族団結」のスローガンが目立った。
【飛行距離】
名古屋−上海1300㌔(往2時間50分、復2時間35分)、
上海−ウルムチ3310㌔(5時間45分)
ウルムチ−カシュガル(1070㌔、約2時間)
カシュガル−上海4191㌔(約5時間)
シルクロードをまたぐ旅、日本との直行便無い。
【視察先】
ウルムチ:
中国自由貿易試験区、ウルムチ国際陸港区、新疆綿花文化展示館、新疆国際バザール
ウルムチ天山大峡谷景区、新疆テロ対策と過激派排除闘争テーマ展
懇談(会見):自治区外事弁公室党書記・徐貴相
カシュガル:
清真寺(イスラム寺院)、カシュガル古城、新疆東魯水控公司
中国と中央アジア、欧州を結ぶ国際物流拠点としての「ウルムチ国際陸港区」
中国のグランドキャニオンと称される「ウルムチ天山大峡谷景区」